アーユルヴェーダは、病気の予防や治療だけでなく、健康長寿を目標としています。 アーユルヴェーダの施術においてはハーブがしばしば利用されますが、このような天然物薬学は、美肌や育毛の手助けに役立ちます。
今回は、アーユルヴェーダと育毛の関係性について解説し、その具体的な効果や当社が開発したシャンプーやトリートメントなどを紹介します。
アーユルヴェーダとは
アーユルヴェーダは、健康長寿を究極目標とした幸福の科学であり、精神的な充足や生き甲斐、美容の実現にも効果的な方法を提供します。全身医学の予防と治療の他に、ヨーガと仏教の理念を共有しています。これは不安や悩みを解消し、美しく健康的に生きるためのマニュアルです。
アーユルヴェーダの施術の核心は「ハーブ利用」にあります。多彩なハーブを利用する天然物薬学は、病気の予防と治療だけに留まりません。ハーブの幅広い効能を理解し、医学以外の目的にも多用します。特定疾患や難病に比べれば、美肌や育毛の手助けは容易です。
アーユルヴェーダと育毛の関係は?効果はある?
加齢に伴う薄毛や脱毛は、老化現象の一つです。それらには、体質と頭皮の老化が関与しています。アーユルヴェーダでは、トリドーシャと呼ばれる3種類(「ピッタ(Pitta)」「ヴァータ(Vata)」「カパ(Kapha)」)のタイプがあります。
※詳しくはこちらの記事を参照してください。
薄毛や脱毛に悩む人は、「ピッタ」体質です。「ヴァータ」体質は、白髪の混じった乾燥したパサパサの髪を持ちますが、髪が薄くなることはありません。「カパ」体質は黒く豊かなしっとりした髪を持ち、薄毛や脱毛には縁がありません。
「ピッタ」体質を多少なりとも含む人の割合は約6割ですので、約半数の人が薄毛に悩むことになります。
アーユルヴェーダと育毛の関係性
アーユルヴェーダは世界最大のハーブ利用学であり、その中心は天然物薬学です。膨大な数のハーブが調査され、約1万種類に薬理効果が実証されています。全身医学の視点から、病気の根本治癒が第一目的ですが、美肌育毛などの美容分野でも豊富なデータを持ち合わせています。
アーユルヴェーダは美容に関して、2つの要素を考慮します。1つ目は、心身の健康です。たとえば、肝臓機能を改善しないと美肌は達成できません。なぜなら、肌は肝臓の鏡であると考えられているからです。2つ目は、皮膚や毛根などの特定組織の改善を対象とすることです。本来、アーユルヴェーダは長寿の科学であり、美容と健康の維持と改善においても長寿理論を採用します。
アーユルヴェーダの長寿理論
アーユルヴェーダの長寿理論とは、トリドーシャのバランスを改善することをいいます。トリドーシャの調和が得られれば、7つの組織(サプタダートゥ)の機能が改善し、老廃物(マラ)の排出が促進されると考えるのです。
現代科学で説明すると、生命機能のバランスを整えれば細胞組織が活性化され、老化誘導物質の産生が抑制されることを意味します。この長寿理論は、当社の細胞若返りによる健康長寿理論とほぼ同じです。
当社の育毛理論
当社は、現代科学とアーユルヴェーダを融合した育毛理論を構築しています。薄毛は頭皮の老化ですので、頭皮の若返り以外に頭髪を取り戻すことは不可能であると考えています。
アメリカの製薬会社は、血管拡張剤や男性ホルモン合成阻害剤を育毛剤として販売していますが、思ったほどの効果が得られないことが科学的に実証されています。日本でも多くの育毛剤(医薬部外品等)が市販されていますが、理論的に効果があるとは思えず、実際に効果があるというデータは見受けられません。
当社では、横浜市立大学 長寿科学研究室にて美容や健康に効果があるとされる約300種のハーブについてさまざまな細胞試験を実施しました。特に、6種の毛根細胞の増殖促進と若返りを促す18種類の有効ハーブを同定し、最適配合したAyucelra™-SCを開発しました。こうしたハーブは、実際にアーユルヴェーダの育毛促進ハーブでした。さらに、解毒作用や頭皮冷却作用、抗酸化作用、頭皮若返り作用を示すハーブも含まれていました。以上の研究は、アーユルヴェーダの育毛データを現代生命科学で実証したといえます。
当社は、毛根細胞、それを支える真皮線維芽細胞、表皮角化細胞などの若返りまたは活性化以外に毛髪再生は不可能であると考えています。こうした育毛理論とアーユルヴェーダの伝統ハーブを用いて、老若男女において毛髪再生を確認しています(特許第6977233号)。
育毛・発毛の研究成果はこちらからチェックすることができます。薄毛・脱毛は頭皮の老化以外でも起こり得ます。毒性の強いシャンプーやトリートメントの乱用や不清潔、ピッタ体質を増強する食事や生活習慣は、薄毛や脱毛を誘発します。また、薬物治療や放射線治療も脱毛を誘発します。
しかし、こうした要因は容易に改善可能です。当社の開発した細胞毒性のほとんどないシャンプーとトリートメント(細胞毒性は通常市販品の百分の一)を使用するだけでも、毛髪の顕著な改善が見られます。
ハーブエキスとオイルの違い・育毛ハーブ種類
では、ハーブのエキスとハーブオイルでは、どちらを使用した方が良いのでしょうか?
エキスとオイルのどちらが良い?
アーユルヴェーダでは、美容健康にハーブオイルを好んで使用します。ハーブ成分をオイルに溶かし、頭皮に塗布します。水溶性成分は皮膚に浸透しないため、皮膚浸透性のハーブオイルを使用することは合理的だといえます。
ただし、育毛効果を期待する場合には、頭皮の毛包へ水溶性成分を浸透させる必要があるため、ハーブオイルよりもハーブエキスを塗布する方が合理的だといえます。また、ヘアーオイルを頭皮に塗布すると髪がベタベタしてしまい外出できなくなることから、日常生活の観点からも、ハーブエキスを使用する方が合理的です。
育毛ハーブの種類
当社では、美肌・育毛に定評がある約300種類のハーブをインド亜大陸から入手し、毛髪形成に関与する6種の細胞を用いて各種試験を行いました。その結果、表皮角化細胞や真皮線維芽細胞、毛母細胞、毛乳頭細胞、表皮色素細胞、脂肪腺細胞の増殖促進、紫外線や酸化障害の回復を指標として、それぞれの細胞種に効果を示すハーブを見出すことに成功しました。
これらのハーブに関するアーユルヴェーダの情報を調べると、育毛や長寿、解毒、頭皮冷却作用などが登録されています。では、その代表的なハーブを紹介しましょう。
アムラ(アマラキ)
アムラ(Emblica officinalis)の果実はアーユルヴェーダを代表する長寿ハーブとされ、インドスグリとも呼ばれています。多くのハーブ製剤がアムラ果実を含んでいますが、それはアダプトゲンと呼ばれる恒常性維持に働く物質を含むためです。また、アーユルヴェーダの育毛ケア製品のほとんどがアムラ果実を含みます。
当社はアムラ果実の生理作用を細胞レベルで検証し、新しい知見を発見することができました。アムラ果実エキスは、表皮角化細胞の増殖を顕著に促進し、同時に分化途上にある細胞の若返りを誘導しました。こうした生理活性を指標としてその有効成分を精製後、質量分析計で解析しタンニンの一種であるグルコガリンであることを突き止めることができました。タンニンはグルコースが関与する反応を制御するため、さまざまな生物活性が得られるものと考えられます。
セイロンマツリ
当社は、セイロンマツリ(Plumbago zeylanica)が育毛に非常の重要なハーブであることを見出しました。その有効成分はプルンバギンであることがわかっています。
セイロンマツリエキスは、毛母細胞と毛乳頭細胞の増殖を顕著に促進することがわかりました。これは、育毛研究において大きな貢献です。また、男性型脱毛症(AGA)の原因物質である「DHT(ジヒドロテストステロン)を生成する酵素「5α-還元酵素」を強く阻害することを見出しました。
文献を調においては、チベット医学ではセイロンマツリは重金属の解毒作用を示し、若禿の特効薬と位置づけられています。
タカサブロウ
タカサブロウ(Eclipta alba)は、アーユルヴェーダではアムラと並んで最も有名な育毛ハーブです。ほとんどの育毛剤がタカサブロウエキスを含んでいますが、その作用機序は不明でした。
多くの細胞試験では、その有効性を見出すことができていません。ただし、マウスの発毛試験では育毛効果を見出しています。したがって、組織レベルで有益な育毛作用があると思われます。
タカサブロウの有効成分はウェデロラクトンであり、アラキドン酸-5-リポキシゲナーゼ(5-Lox)を強く阻害することにより、炎症反応を抑制することが判明しています。脱毛はピッタ体質の特質です。ピッタ体質の頭皮は常に熱く、これが脱毛を引き起こします。
したがって、頭皮の冷却作用のあるハーブは脱毛予防に有効です。以上のことから、タカサブロウは頭皮環境を正常化し、薄毛脱毛を防ぐと予想されます。
育毛・発毛の研究成果はこちらからチェックすることができます。ハーブエキスを用いた育毛剤の開発
アーユルヴェーダ製剤の特徴は、ハーブを組み合わせて使用することです。当社は、細胞試験で選定したハーブ18種類の最適な組み合わせを、厳密なヒト細胞試験とヒトモニター試験で考案しました(特許第6977233号)。この実験は当社の創意工夫に基づくものであり、質と量に関して比類のないものです。
ハーブエキスを利用した育毛剤の性能を最高に発揮させるため、工夫を凝らしています。ハーブエキスは50%エタノールで抽出したもので、液性および油性成分を含みます。どちらの成分も水溶液に溶かし込むため、安全性の高い界面活性剤を使用しています。
毛根細胞の増殖を支えるためには、ハーブエキス以外に栄養成分も必要です。そこで、アミノ酸と核酸成分を細胞増殖に最適な配合比で添加しました。ハーブ成分の効果を増強するために、一般的な医薬部外品の有効成分を3種類(パントテン酸、グリチルリチン、センブリ)添加しました。これらの成分は、ヒトでの相乗効果を期待したものです。
最後に、独自の保湿成分を2種類添加しました。ハーブエキス育毛剤の細胞毒性はほとんどないため、口に入っても問題ありません。
育毛剤の使用法
当社は育毛剤のモニター試験を実施し、性別年齢にかかわらず顕著な効果を確認することに成功しました。厳密な写真撮影により、使用前後のデータを関係者に提供しています。ちなみに、同一人物で修正なしのデータを使った宣伝広告はごく稀です。
当社は通常の生活を変えずに、朝晩の2回、頭皮に育毛剤を塗布し、軽くマッサージを推奨しました。ただし、塗布は洗髪後すぐにではなく、頭皮が乾燥してからの塗布をお願いしました。
軽いマッサージは育毛効果を早める効果が期待できます。毛髪の再生には、女性では早くて3~4ヶ月、男性では6ヶ月を要します。数年使用を続ければ、女性の髪のボリュームと髪質は若い頃に戻り、自信を持って外出できるようになるでしょう。
まとめ
当社が開発した育毛剤は、使用したほとんどの人が満足しています。既存の医薬品や医薬部外品より格段に優れています。
元々、育毛医薬品(ミノキシジルとプロペシア)には、思ったほど効果がないことが科学的に実証されています。また、医薬部外品が指定する有効成分にも育毛効果はほとんど期待できません。医薬部外品は安全性試験が行われた成分のみを含む製品のことであり、その成分は効果を意味するものではないからです。
逆に、本当に効果のある成分は、医薬部外品には使えない仕組みになっています。多くの消費者は「薬用」と記載されているだけで効果があると誤解しています。「薬機法(旧薬事法)」は悪徳業者を取り締まるのに有効ではありますが、効果的な美容健康製品を販売する際には大きな妨げとなってしまっているのです。